2012年1月9日月曜日

藤岡弘、「役者バカな人」…二谷英明さん死去


刑事ドラマ「特捜最前線」の刑事役や日活アクション映画で人気を集めた俳優の二谷英明(にたに・ひであき)さんが7日午後4時58分、肺炎のため東京・新宿区の慶大病院で死去した。81歳だった。女優・白川由美(75)とのおしどり夫婦でも知られ、2003年に脳梗塞で倒れて以後は芸能活動を休止していた。俳優の宍戸錠(78)、藤岡弘、(65)らが大先輩の死を悼んだ。

 「特捜最前線」で、二谷さん演じる神代恭介の部下の警部・桜井哲夫を演じた藤岡弘、がスポーツ報知の取材に応じ、二谷さんとの思い出を語った。

 「特捜―」では毎日のように二谷さんと顔を合わせていた藤岡は「ひとたび現場に入ると、息をするのも苦しいような緊迫感があった。昔かたぎの映画人らしい厳しさがあり、いい意味での役者バカという雰囲気を持った方でした」。現場では、二谷さんを中心に俳優たちも議論を戦わせた。「10年もたつとなれ合いが生じるが、社会を反映したドラマを真剣につくり上げてました」

 役柄の桜井は、神代と衝突することが多く「自分も甘えちゃいけないと思って、ある程度の距離を持って接していた」という。しかし、海外でロケを行ったときの二谷さんのうれしそうな表情が忘れられないという。「みんなで食事したんですが、冗談でその場を和ませたりしていたのが印象的でした」

 二谷さんとは、7~8年前に広島で偶然会ったのが最後。「とても元気そうで、『おう、元気か?』と声を掛けていただいたのですが」。ある日の酒席で二谷さんが「特捜の映画をつくりたいんだ」と漏らしていた言葉が思い出されるという。「結局、実現はしませんでしたが、二谷さんも残念だったと思う。今なら僕もキャップができると思うし、いい映画が作れそうですね」と“特捜魂”の継承を誓った。