2012年2月1日水曜日

コレステロール薬で認知症発症率が低下 福井大・濱野講師が論文発表

福井大医学部の濱野忠則講師が、高コレステロール血症治療剤「ピタバスタチン」にアルツハイマー型認知症の発症率低下や進行を遅らせる効果があるとする論文をまとめ、オランダの医学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング」オンライン版に掲載した。
 アルツハイマー病は脳にタウと呼ばれるタンパク質が変質して凝集し、脳内に蓄積されることで発症しやすくなるという。
 濱野講師はピタバスタチンを服用している患者に認知症の発症が少ないことに着目。人の神経細胞やマウスを使って検証し、タウタンパクや変質後の同タンパクを減少させる効果を確認した。
 今後約5年をかけて約100人の患者で効果を確認し、治療薬の開発につなぎたいという。濱野講師は「既存の医薬品なので、研究にかかる期間も短いはずだ」としている。
 また、脳の神経が変質するほかの病気にも効果が期待できるとしている。