2011年12月14日水曜日

象印元副社長と主婦の殺害認める 山中捜索で遺体


堺市南区の主婦、田村武子さん(67)失踪事件と、同市北区の象印マホービン元副社長、尾崎宗秀(そうしゅう)さん(84)殺害事件をめぐり、田村さんのキャッシュカードを使って現金5万円を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された西口宗宏容疑者(50)が、田村さんを殺害して遺体を遺棄したことと、尾崎さん殺害について認める供述を始めたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。
 大阪府警捜査1課は同日午前、西口容疑者が田村さんの遺体を遺棄したと供述した大阪府河内長野市内の滝畑ダム近くの山中で、西口容疑者を同行して捜索を行い、身元不明の遺体の一部を発見。身元の確認を急ぐとともに、周辺での捜索を続けた。
 捜査関係者らによると、西口容疑者は当初、窃盗容疑について「私には知らないこと」と否認していたが、その後容疑を認めた上で、田村さんを殺害し遺体を同市の滝畑ダム周辺の「山中に捨てた」と供述。さらに、尾崎さん殺害事件への関与も認めたという。
田村さんは11月5日夕、堺市南区のショッピングセンターで買い物を終え、駐車場へ向かう姿が防犯カメラに写っていたが、それ以降の足取りが途絶えた。乗っていた車は堺市北区の店舗駐車場に放置され、車内には田村さんの血痕が残っていた。
 同月12、13両日には、堺市南区の府道沿いの山中で田村さんの靴などが見つかり、付近にあった飲料の容器に付着していた唾液のDNA型が、西口容疑者のものと一致。滝畑ダムは府道を南下したところにあり、西口容疑者はこれまでにも訪れたことがあったという。
 一方、尾崎さんは今月1日午前、自宅2階の納戸で、手足を縛られ、顔に粘着テープやラップが巻かれた状態で見つかり、搬送先の病院で死亡。自宅から約80万円が奪われていた。
 両事件では、西口容疑者に似た男が、銀行や農協の現金自動預払機(ATM)で、被害者のキャッシュカードを使用する様子が防犯カメラに写っていたほか、西口容疑者が使っているのに似たミニバイクが、尾崎さん宅前や田村さん失踪現場などで確認されている。
 尾崎さん殺害事件の後、西口容疑者が70万~80万円の現金を所持していたことも判明。西口容疑者は8年前の放火事件で服役後、今年7月に仮釈放されたが、定職には就いておらず、捜査1課は現金を押収し、入手先を調べている。

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