2011年4月13日水曜日

金星探査機「あかつき」が17日、太陽に最接近 JAXA

昨年12月に金星周回軌道投入に失敗し、太陽を公転しながら再投入を目指している金星探査機「あかつき」が、4月17日に太陽に最も近づく「近日点」を通過する見通しであることが分かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13日、文部科学省宇宙開発委員会に報告した。
 JAXAによると、あかつきは現在、太陽周回軌道を正常に飛行、搭載機器は正常に動作している。2月1日に軌道の太陽に近づく部分に入り、表面に取り付けられた燃料の逆流を防ぐための「推薬弁」の一部が最大許容温度をわずかに超えたが、太陽に対する向きを変えることで、今のところ全機器で許容値以下の温度を維持しているという。
 今後は、「近日点」を通過する際に、再び推薬弁などの機器が許容温度近くまで上昇したり、強い紫外線で表面を覆う断熱材が劣化する可能性がある。
 JAXAは「弁が壊れたら漏れた燃料が船体を壊し、再投入できなくなる。軌道を変えられる燃料が残っていないため、近日点通過時には姿勢制御など、機器への熱の影響を最小限にする運用に集中する」としている。
 あかつきは、地球以外の惑星を回る日本初の人工衛星として、金星の気象観測などを行う予定だったが、金星周回軌道への投入に失敗。太陽周回軌道を飛行しながら、約6年後に再び訪れる金星周回軌道投入のチャンスを待っている。

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