しかし、10万年といえば、石器時代から現代までに相当する長大な時間。10万年もの間、人類にこの場所が危険だと警告し続けることは可能なのか。文明が変われば、文字もイラストも通じないのではないか。もし、未来の人類が財宝と誤解して、放射性廃棄物を発掘してしまったら…。マドセン監督は関係者たちに質問を繰り返し、彼らが苦悩する様子を記録している。
同作を配給する「アップリンク」では、今秋の公開を予定していたが、震災による福島第1原発の事故を受け、4月2日から自社の劇場「渋谷アップリンク」で急(きゅう)遽(きょ)公開。ほとんど宣伝できなかったが、連日満席の状態だ。
同社でアンケートを採ったところ、「とても大事な事実を知った。ただ、知らずに済むなら、その方が幸せだったのかも」(20代・男子学生)、「『原発の賛否を超えて向き合う問題』というメッセージが広く伝わってほしい」(30代・男性会社員)などの意見が寄せられた。
他の劇場からも問い合わせが相次ぎ、16日からは青森や群馬、横浜、宮崎、愛媛など19館で順次公開が決まった。同社では「今後も上映館は増えそう。日本にとっても重要な問題であり、議論を深めるきっかけとなれば」と話している。
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