2011年8月1日月曜日

大量出血後も手術継続、歯科医を書類送検

東京都内の歯科医院で「インプラント手術」を受けた都内の女性会社役員=当時(70)=が死亡した事故で、手術を担当した男性歯科医(67)が、女性の動脈を傷つけて大量出血した後も、ガーゼで止血するなどしただけで手術を続けていたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は同日、業務上過失致死容疑で歯科医を書類送検した。
 同課の調べに対し、歯科医は「自分としてはミスはなかった」と容疑を否認。女性の動脈をドリルで傷つけたことは認めているが、「当時は、手術した位置に動脈があるとは知らなかった」などと供述しているという。
 送検容疑は、平成19年5月22日午後、女性をインプラント手術中に、ドリルであごの骨を貫通したうえ、動脈を巻き込んで切断して大量出血を招いて窒息させ、翌23日、搬送先の病院で、低酸素脳症や多臓器不全で死亡させたなどとしている。
 歯科医は、大量出血を認識した後も手術を継続。女性は数十分のうちに容体が急変して心肺停止状態となり、同院で止血や心臓マッサージなどの救命措置を受け、緊急搬送された転院先でも治療を続けたが、容体は回復しなかった。
 歯科医は「約30年間で計3万本の症例を経験した」などと説明。国内のインプラント手術の先駆者として知られていたといい、複数の歯科医院を実質的に経営しているほか、同院の院長を務めていた。

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