2011年8月2日火曜日

受賞の重みに佐々木監督も緊張


 「栄誉ある賞を頂き、非常に感激している。選手、スタッフ、女子サッカーをさまざまな面で支えてくれた方々の後押しがあった」。笑顔がトレードマークである佐々木則夫監督の緊張した面持ちが、国民栄誉賞受賞の重みを感じさせる。
 夢にもみない受賞だった。「国民栄誉賞は長い年月をかけて国民に感動や夢を与えた人たちが受けるもの」と考えていた。それだけに「ワールドカップ(W杯)の急激な躍進で頂いたことに戸惑いはある」と率直に打ち明ける。
 一方で2度リードを許しながらPK戦の末に米国を下した決勝を筆頭に、ひたむきに戦った自負はある。「粘って最後の最後まであきらめなかった姿は、震災などで大変なときに勇気と感動を与えられたのかな」と白い歯ものぞかせた。
 今回の受賞を、日本の女子スポーツ界の環境改善の起爆剤にしたい思いもある。「日本女子サッカーの底辺や国内リーグの厳しい状況に目を向けてほしい。女子サッカーだけではなく、ほかの女子スポーツ界全体の問題でもある」と訴えた。
 9月にロンドン五輪アジア最終予選を控え、「受賞してもっとしっかりという思いはある」と表情を引き締める。「予選を勝ち抜き、ロンドンでは北京のベスト4以上という目標にトライしたい」と待ち受ける厳しい戦いを見据えていた。

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