2011年9月15日木曜日

大阪市、中途採用約440倍の狭き門 橋下知事解体宣言「採用されても安泰ではない」

大阪市が今年初めて行う社会人経験者の中途採用試験で、採用予定者数の5人に対し、8月末の応募締め切りまでに、約2200人が応募していたことが14日、分かった。倍率440倍程度の狭き門となるもようで、想定以上の人気だ。筆記試験の試験会場が1会場では足らず予備会場を使うことも検討されているが、大阪府の橋下徹知事が秋の市長選出馬を示唆し「市役所をぶっこわす」と述べており、関係者からは「中途採用されても安泰とはいえないかもしれない」と皮肉る声も出ている。
 中途採用試験は、民間の企画力や高いコスト意識を市政に取り込もうと実施。これまで任期付きの中途採用は行ったことがあるが、事務の正規職員の中途採用試験は初めてだという。例年の大卒事務の採用試験の倍率は15倍前後。市の担当者は「倍率が上がると思っていたが、これほどとは思わなかった」と話す。
 今回、募集が行われたのは行政職の職員で、指定の期間内に民間企業で5年以上勤めた経験があれば、学歴は不問。定年直前の59歳でも応募が可能。市によると、30、40代の受験者が目立つという。筆記試験は9月25日に実施。教養試験と論文試験が行われるほか、その後のグループディスカッションや面接試験を経て、採用が決まる。
 契約社員や派遣社員から正規職員になることを目指している人が多いようだが、中には大企業からの転職希望組も。関係者からは「景気の低迷が続いていることから安定志向になっているのではないか」との声も上がる。特に府内は、就業者に占める非正規労働者の割合が45%と、全国(34%)に比べて高いという事情もある。
 市の担当者は「チャレンジ精神旺盛な人を採用したい」と話しているが、大阪市役所をめぐっては、地域政党「大阪維新の会」の代表を務め、大阪都構想を掲げる橋下知事が秋の市長選出馬を示唆。「市役所をぶっこわす」と述べるなど議論の的にもなっており、関係者からは「市役所が解体されてスリム化が進めば、せっかく中途採用されても安泰とはいえないかもしれない」などとする声も上がっている。

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